スタートレックⅡ カーンの逆襲(ネタバレあり)
スタートレックシリーズ劇場版第2談。
テレビシリーズでカークたちを苦しめた優勢人類カーンが、カークに復讐を挑むべく復活します。
タイトルからして判る通り、スター・ウォーズ帝国の逆襲をかなり意識しており、ところどころに影響を見て取ることが出来ます。
また、SF界隈で有名な「コバヤシマルテスト」が登場する事でも知られています。
以下ネタバレ
あらすじ
建造から20年が過ぎたて老朽化したエンタープライズは、現役を引退して、スポック指揮の下、練習艦となっていました。一方のカークは提督としてデスクワークに追われる日々を過ごしていました。
一方その頃、死の星を一瞬にして緑豊かな惑星へと再生するジェネシス計画のテストを行う為、かつてカークの部下だったチェコフはUSSリライアントに乗って、無人の辺境惑星へと向かっていました。ところが、現地に到着すると地上に生命反応がある事がわかります。
リライアントのテレル艦長は、確認のためにチェコフを連れて地上に降りますが、そこに待っていたのは、15年前カークに破れ辺境宇宙に追放された筈の優勢人類カーンでした。
なんと無人と思われていた星は、かつてカーンが追放された惑星だったのです。当時は人間が暮らせる環境だったこの星も、大規模な天文異常により、死の星へとかわってしまっていたのです。妻や多くの仲間を失ったカーンは、カークに復讐すべく、チェコフとテレルに寄生生物を植え付け、リライアントに戻すことで、宇宙船の奪取に成功します。*1
査察のためエンタープライズの訓練航海に同行していたカークの下に、ジェネシス計画の主任研究者であるマーカス博士から連絡が届きます。かつて恋人だったマーカスの出現に動揺するカーク。しかし、彼女が言うにはカークの命令でジェネシス計画の資料が軍に接収されてしまったというのです。しかしジェネシス計画の事を知らないカークにはなんの事だか判りません。しかも彼女との通信も突然切れてしまいます。
ジェネシス計画に何かあったに違いない、そう判断したカークは同行していたカトー、ウラ、チャーリーと共にエンタープライズでジェネシス計画の研究施設があるステーション・レギュラ1へと向かいます。
そこで待ち受けていたのは、カーンに乗っ取られたリライアントでした。突然の攻撃に大破するエンタープライズ。カークの策略でなんとか相打ちに持ち込み、レギュラ1へとたどり着きます。しかしステーションの乗員は全て皆殺しにされ、生存者はチェコフとテレル艦長の二人だけでした。
カーンがジェネシスとマーカス博士を連れて近くの惑星に降りた事に気づいたカークはチェコフとテレルの二人を連れて地上に降りると、カークは見ず知らずの青年に襲われます。彼はマーカス博士の息子でデビットと名乗り、カーク達を研究の仲間を皆殺しにした連中の仲間だと勘違いしていたのでした。そしてマーカス博士から「デビットはカークの息子である」と衝撃の告白を受けるのでした。
突然の息子の出現に動揺するカーク。そこで突然テレルとチェコフが襲いかかってきます。カーンはカークたちから情報を得る為に、二人を操ったまま、送り返していたのでした。しかし強靭な精神力でカーンの支配を打ち破ったテレル艦長は自ら死を選び、チェコフは意識を失って倒れてしまいます。
ジェネシス装置を奪って逃げ出すカーン。マーカス博士によれば、ジェネシス装置はあらゆる惑星を緑豊かな星へと一瞬で再生する事が出来る反面、再生時に惑星固有の生命や文化を完全に破壊する兵器としても使うことが出来るというのです。
エンタープライズと合流してカーンを追うカークたち。リライアントとの激しい戦いの末、なんとかカーンを倒すことに成功しますが、カーンはジェネシス装置を自爆させ、エンタープライズを道連れにしようとします。
急いでワープで脱出しようとしますが、エンタープライズはリライアントとの戦闘で大破してワープが出来ません。誰もがダメだと思った時、スポックは自らの命を顧みず致死量の放射線で充満したワープエンジンに飛び込むと、ギリギリのところで修理を完了させたのでした。
ワープによる脱出に成功するエンタープライズ。しかしそれには、スポックの命という重すぎる代償が必要でした。
自爆したジェネシス装置により再生された惑星に葬られたスポックを残して、エンタープライズは地球へと向かうのでした。
前作から一変して、宇宙船同士の激しい戦いが見どころの本作。
テレビシリーズの時は予算や技術の問題でほとんど描かれることのなかった戦闘シーンに、非常にワクワクしたのを今でも覚えています。
これは実際高評価だったらしく、比較的低予算だったにも関わらず、高い評価を得たことから、ストーリーが直接つながった続編が制作されることになりました。
一方で、カーンに関しては十分な説明もなく登場する為、ファン以外にはちょっと不親切な作品でもあります(当時子供だった自分もストーリーはよく判らなかった)