魔術士オーフェンはぐれ旅 コミクロンズ・プラン
コミクロンというキャラクターをご存知だろうか?
原作オーフェンの冒頭でいきなり死ぬ、オーフェンの幼馴染の一人である。
といっても、オーフェンにとっては「そんなヤツもいたな」程度の扱いで、特に悲しむわけでもなく、原作で言及もされず、アニメにも登場しなかった。
ところが、シリーズが長期化して、オーフェンの過去が作中で明らかになっていくにつれ コミクロンがクローズアップされて行く事になる。
なにせオーフェンが所属していたチャイルドマン教室は極めつけの変人揃い。その一人であるコミクロンも当然変人という事になる。それまでただのモブキャラだったコミクロンに「世間知らずのマッドサイエンティスト」という性格付けがされ、ファンの間ではそこそこ人気のあるキャラクターという立ち位置を確保するようになる。
さて、この本は、そのコミクロンが主人公となった初の外伝である。
時期的には原作第1巻の少し前。コルゴンに誘われて旅に出たコミクロンが、ふとした行き違いから予想外のトラブルに巻き込まれ、ついにはあの男と対決することに……
あとがき曰く、作者的には本編でのコミクロンに関する設定の矛盾を解消する目的で書いていたようだが、あまりうまく行っている感じはしせず、むしろ矛盾が増えている気が(苦笑)
そもそも我々の知っているコミクロンは無謀編のアレなキャラクターなので、大人になったコミクロンにはむしろ違和感が……あ、これってもしかして、オーフェンが再会したコミクロンに気づかないくらい別人になっていたという作者の意図に乗せられた反応なのでは?