秘密結社
フリーメーソンにイルミナティ。
世界を裏で操る陰謀と秘技に彩られた闇の組織。
普通の人が「秘密結社」に抱くイメージは、こんなものでは無いだろうか。
実際のところ、秘密結社という語感のせいで胡散臭い事この上無く感じるが、海外ではサークルやロータリークラブと同じような意味で使われる場合も多い。
それが胡散臭い存在となってしまったのは、中世ではサークルのような『娯楽』にうつつを抜かせるのは、金持ちや権力者と相場が決まっていたので、自然と権力闘争の舞台となってしまった事と、当時はオカルトというのは最先端の教養であり趣味だった為に活動内容が魔術的な物になりがちだったからだ。
そう、彼らが陰謀と暗黒の秘技に彩られて見えるのは、現代人の視点で見ることによって生じる誤解がそもそもの原因なのだ。
もっとも、こういった誤解は18世紀頃には既に存在し、19世紀後半から20世紀前半にかけては、「闇の秘技を追求する」事を目的とした秘密結社が実際に結成されたりしているので、あながち間違いとも言い切れない。
だが、これらの結社の多くは、仲間割れによって分裂したり、思い込みの果てに生け贄などの行為に実際に及んで解散に追い込まれたりして、現代ではほとんどが生き残っていないか、同人サークルのような形でしか生き残っていない。
ただ今も、肥大化した誤解だけが綿々と受け継がれているのだ。