『七都市物語』シェアードワールズ 著:小川一水,森福都,横山信義,羅門祐人
SF、戦記作家による七都市物語アンソロジー。
七年前に単行本で出た時には買わなかったのですが、去年文庫で出た時に購入。しかし、そのまま積読山に行ってしまい、最近ようやく発掘。
埋没から一年たってないので、比較的早いほうですね(笑)
・小川一水は、旧来的な国家や宗教が滅んだこの時代にあっても尾を引く人種問題を扱った短編。
なにげに七都市世界をひっくり返すようなネタを仕込んでますが、まあ原作者が続きを書くことは無さそうなので、多分いいんでしょう(笑
・森福都は、今回の執筆陣で唯一知らない人。
オリンポスシステムを無効化する技術の秘密を巡る謀略ですが、こっちも『どうせ無効可出来ないのは判ってる』という前提で読んでるので、途中からいろいろとバレバレなのが辛い。
・横山信義は、ブエノスゾンデ攻略部隊を支える補給線を守るサンダラー艦隊と、補給線の破壊を試みるブエノスゾンデ潜水艦隊の死闘。
横山信義の本領発揮なジャンルなので、読んでて一番安定してます。
・羅門祐人は新兵器開発を巡る政治謀略に巻き込まれた技術者達の悲哀を、コメディタッチで描いた短編
確かに、七都市世界で『アレ』が登場したら、保有している側は圧倒的な優位に立てるなー、というくらいの新兵器ですが、それ故にオリンポスシステムの無効可と同様『けどどうせ最後には失敗するんでしょ?』と判ってるのが辛い。
灼熱の竜騎兵もだけど、もうこのシリーズは、シェアワールドなんて言わず、誰か別の人に続き書かせた方がいいんじゃないかな?
本人もあまり書く気なさそうだし、その方が読者もみんな幸せになれるよなぁ・・・・・・