アキバを食べる

オタクが食べ歩いたり、聖地巡礼先で食べ歩いたりするブログ。

暗く、深い、夜の泉 著:萩原麻里

 山深い全寮制高校を舞台にした伝奇ホラー。
 不思議な力を持った少女、夜になるとゾンビへと変わる生徒、学園を背後から操り、逃げ出す事を許さない巨大な権力の影。
 少女マンガのホラー物っぽいと思ったら、元はホワイトハート文庫で出ていた本だったそうで、少女漫画チックなのも納得。

 

 しかし、そんな事はどうでもよろしい。
 この作品は凄いところは結末にある。
 ぶっちゃけると、主人公だと思っていた人物が最後にあっさりと死んで、ライバルとか相方とか呼ばれる立場のキャラが実は主人公でした────と言い出すのだ。
 著述トリックとかそんな甘っちょろいものじゃない、びっくりするくらいの切り捨て、切り替えぶりである。

 

 ホワイトハートの時は続きがあったそうで、正直この唖然とする結末も続きがあればこそだったんだろうけど、一迅社では続きが出ないまま放置されてしまい、読者も唖然としたまま放置……
 多分続きが出る事は無いのだろうけど、一迅社はいつもこんな感じだよなぁ。

暗く、深い、夜の泉 (一迅社文庫 は 1-2)

暗く、深い、夜の泉 (一迅社文庫 は 1-2)