暗く、深い、夜の泉 著:萩原麻里
山深い全寮制高校を舞台にした伝奇ホラー。
不思議な力を持った少女、夜になるとゾンビへと変わる生徒、学園を背後から操り、逃げ出す事を許さない巨大な権力の影。
少女マンガのホラー物っぽいと思ったら、元はホワイトハート文庫で出ていた本だったそうで、少女漫画チックなのも納得。
しかし、そんな事はどうでもよろしい。
この作品は凄いところは結末にある。
ぶっちゃけると、主人公だと思っていた人物が最後にあっさりと死んで、ライバルとか相方とか呼ばれる立場のキャラが実は主人公でした────と言い出すのだ。
著述トリックとかそんな甘っちょろいものじゃない、びっくりするくらいの切り捨て、切り替えぶりである。
ホワイトハートの時は続きがあったそうで、正直この唖然とする結末も続きがあればこそだったんだろうけど、一迅社では続きが出ないまま放置されてしまい、読者も唖然としたまま放置……
多分続きが出る事は無いのだろうけど、一迅社はいつもこんな感じだよなぁ。