教範遊撃隊血風録〈4〉蒼海の死闘!
シリーズ完結編。
宣伝戦の敗北により、軍事的オプションを政治的に封じられた米軍。
これ以上敗北すれば政権を維持出来なくなると考えた米政府は、東条英機のクビと引き替えに、ついに停戦に応じる。
日米の戦いってのは落とし所が非常に難しい。
アメリカは東京を落とすことが出来るのに対し、日本はどんなに頑張ってもワシントンに攻め込むことは出来ない。
となれば、欧州のように「ベルリンを落とせば」「モスクワを落とせば」「パリを落とせば」「ロンドンを落とせば」ではケリが、少なくとも日本側に都合の良い形ではつけようが無い。
往々にしてまともな架空戦記が、日米停戦で終わるのはこれが理由と言っていいだろう。
この作品でも、宣伝という政治に破れたアメリカは、東条の退陣という実に政治的な成果をもって停戦に応じている。
意外なことに、架空戦記を読む人*1には、こういう政治的な見方を理解出来ない人が多い。
つーか、うちの会社に一人そーいうのがいるんだ(苦笑)
*1:書く人では無い