アキバを食べる

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宇宙戦艦ヤマト 復活編 

 映画館混んでたなぁ。
 みんなワンピースとウルトラマン仮面ライダーだけど(苦笑
 そっちは200メートルくらいの行列が出来ているのに、ヤマトの観客は初回で20人前後という素晴らしい少なさ。
 まあ、混んでない方がいいに決まっていますが。

 

 では、ここからはネタバレ注意
 今回はかなり明け透けな事も書いてあります。

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 アクエリアス海にヤマトが沈んでから17年。
 地球に向けて、移動性ブラックホールが光速の10%で向かっていた。
 このままでは地球滅亡は避けられないと判断した人類は、友好関係にあるアマール星への移住を決行。
 しかし移民船団は謎の敵の襲撃を受け大損害。
 第1次船団の指揮官であった森雪も行方不明となってしまう。
 ちなみに第1次船団の旗艦はブルーノア。残念ながら旧ブルーノアとはデザインが全く事なり、どちらかというとニューノーチラスかマイティ号のようなデザインですが、両側の翼が巨大な飛行甲板に変形するなど、ポイントは外していません。

 

 その頃、古代は軍を退役して民間商船の船長として辺境宇宙を彷徨っていた。
 ヤマトの思い出に捕らわれた古代は、ヤマトのいない、平和な地球に馴染めずにいたのだ。
 そんな中、古代はブルーノアの救難信号をキャッチ。
 そこで始めて地球に危機が迫っている事を知ります。
 いくら辺境とはいえ、地球滅亡なんて騒ぎを知らないなんてちょっと信じられないのですが、とにかく知らなかった古代は慌てて地球へ帰還。
 すると待っていたかのように長官となった真田さんが「こんな事もあろうかと」と引っ張り出してくるのが、アクエリアスの海に沈んだ筈の我らが宇宙戦艦ヤマト
 現在は凍りつき衛星軌道上を巨大な氷塊となって彷徨っているアクエリアスの海、その中でヤマトは修復されていたのです。
 ヤマト艦長として軍へ復帰する古代。
 しかし娘の美雪は、家族を地球に置き去りにしたまま、一人宇宙を彷徨う父を許す事が出来ません。
 古代は娘との断絶にショックを受けますが、地球の危機を前にそんな事に気を取られている暇はありません。

 

 予備士官制度のような物があるのか、商船時代の部下を引き連れてヤマトに乗り込んだ古代を待っていたのは、イケメンになった徳川太助。
 旧シリーズから続けて乗艦するのは太助だけで、後は全員新キャラクター。
 どいつもこいつも言うことを聞かない跳ねっ返りばかりなのはお約束。
 ヤマト艦長として、第3次移民船団護衛艦隊司令となる古代。
 ヤマトに限らず、日本のアニメで艦長と司令を分ける作品って、銀河英雄伝説くらいですよね。実際問題、艦の指揮と、艦隊の指揮を同時に出来る訳無いので、その辺はきちっと分けるべきで、事実この後それが大問題となるのだけど…………多分古代君は問題に気がついてないだろうなぁ。

 

 地球を出発する移民船団。
 その頃、銀河中心では大ウルップ星間国家連合が地球に対する攻撃を議決していた。大艦隊をもって宇宙へ進出する人類の行動は、彼らには侵略行為と写ったからだ。
 今まで移民船団を襲撃していたのは、国家連合の中心的国家であるSUS。なんで宇宙人の国家の名前がアルファベットなのか不思議だけど、きっとこれは地球語訳なんだろう。
 USUの人間が黒色星団の人間にしか見えないのはご愛敬。

 

 先発した船団が襲撃を受けた付近で、敵の哨戒線を発見したヤマトは、哨戒ラインを避けるべく大規模な迂回航路を取る事を決定。
 その為には、速力の遅い移民船をブラックホール───こっちは別に移動したりしない───でフライバイ*1させ、一気にワープする必要があった。
 どうしてフライバイするとワープ速度が上がるのかよく判らないのだけど、とにかくこの作品でのワープは、通常空間の速度に影響を受けるらしい。
 しかし、あっさりと発見されて国家連合艦隊の襲撃を受ける移民船団。
 船団の楯となって戦いを挑むヤマト以下の護衛艦隊。
 その数、かつての主力戦艦やアンドロメダの改良型を含めて実に160隻!
 ヤマト史上空前の規模の艦隊戦ですが、艦隊の指揮そっちのけでヤマトで暴れ回る古代君。
 ロクに指揮もせず全艦隊を迎撃に差し向けてしまった為に、突破された小部隊に移民船が撃沈されかかったり、十分に体制が整わない段階で撤退を命じて大打撃を受けたりするけど、そのたびにヤマトが大活躍。いや、そこはちゃんと指揮していればヤマト活躍しなくていいだろうと思わず突っ込みたくなるけど、古代君はお構いなし。
 最後は取り残されたヤマトと移民船が包囲されて絶体絶命のピンチに陥ったところで、デスラー総統とそっくな声で話す敵艦隊のゴルイ提督が「君たちの戦いぶりに感服した」と攻撃停止を命令。
 宇宙人の筈なのに、ブシドー言い出したり、妙に地球人的ですこの人。

 

 無事アマール星にたどり着いた移民船団。
 そこでアマールも星間国家連合に所属している事を知らされて驚く古代。
 いや、そういう外交上に必要な情報は移民始める前に調べておこうよ。
 所属していると言えば聞こえは良いものの、実際はSUSの属国に過ぎないアマールに対し、国家連合は地球に協力した事を理由に武力制裁決議を可決。
 しかし、あくまでアマールと国家連合の外交問題であるとして、出撃が許されないヤマト。
 彼らには目の前でアマールの首都が炎上するのを指をくわえて見ているしか無い。
 一方、これまでの横暴なSUSの支配に怒りが爆発したアマールは、女子供までが銃を取り国家連合に対して反撃、泥沼の市街戦が展開されますが、軍事力で圧倒する国家連合についに王宮にまで踏み込まれてしまいます。
 ここに至って、古代はSUSに対して宣戦を布告を決意。
 首都を攻撃していた国家連合軍を撃滅します。
 一方アマール攻撃を命ぜられたゴイル提督は、国家連合の命令を無視して、アマール攻撃艦隊と戦闘に突入。
 ヤマトやアマールの為ではなく、あくまで自らのプライドを守る為に戦うゴイル提督。
 いかにもヤマトらしいキャラクターだけど、前線指揮官の感情で勝手に同盟や条約を無視されたらたまった物じゃ無い。
 それは古代君も一緒で、いくら攻撃を受けているとはいえ、前線の艦隊指揮官が勝手に宣戦布告しちゃダメだろう。

 

 ゴイル提督の犠牲的戦いにより、独立を手に入れるアマール。
 アマールの女王は「自由を」「正義を」「平和を」と言ってますが、こうして見ると、SUSに対抗する為の軍事的な背景を得る為に地球を呼び込んだとしか思えません。
 あまりにも穿った見方過ぎるかもしれないけど、アマール人の造形がアラブ系に似ている事もあり、ここら辺の展開が「アメリカ主導の国連決議を理由に世界中から攻撃された中東諸国」にしか見えないんですよね。
 一方的な市街戦とか空爆とか、あきらかにイラク戦争以降の戦いを意識して映像が作られている。

 

 SUSを倒すべく、本拠地である超巨大要塞へと向かうヤマト以下の地球防衛艦隊。
 さっきまでどこにいたのか、アマール艦隊も援護にやってきます。
 彼らの前に立ちはだかる国家連合艦隊、しかしSUSは味方ごと超大型要塞砲で地球防衛艦隊を攻撃。
 さすがの国家連合もこれには堪らず、SUSを見限り戦線を離脱。
 そこで火を噴く第2射。
 しかしここで古代君は決定的なミスを犯します。彼はヤマトの指揮に夢中になって、艦隊の指揮をおざなりにした結果、ヤマトだけが生き残り、艦隊が全滅してしまうのです。
 ヤマトには回避命令を下すのに、艦隊には何の命令も下さず、結果要塞砲に一網打尽にされてしまう地球艦隊。
 演出上、ヤマト以外の戦艦が邪魔だと言うのは判るんだけど、いくらなんでもこれは酷すぎる。

 

 ただ一隻残され大ピンチのヤマト。
 自業自得のこのピンチに、唐突に出現するのが重雷撃艇信濃
 昔ヤマトには中型雷撃艇ってのが搭載されていた時期がありますが、あれの現代版ですね。
 中型雷撃艇が波動エンジンの側面、後にコスモハウンドが乗ることになる辺りに搭載されていたのに対し、こちらは艦首部分、ブルーノアで言えばシイラがドッキングする辺りから唐突に発進します。
 今回は、いつもみたいに真田さんのヤマトパワーアップ講座が無いので、この瞬間までそんな物が載っている事を誰も知りません。
 垂直発射式の波動ミサイルランチャーを並べた姿は、ちょっとした戦略原潜の趣があります。
 信濃で出撃するのは、新キャラクターにしてヤマト副長の大村さん。
 本来なら真田さんのかわりにを勤めるべき立場なのでしょうが、良くて山崎機関長役、ここ以外は目立った出番もありません。
 ヤマトのあらゆる攻撃を跳ね返す超巨大要塞のバリアーも、何故かこの時ばかりは信濃の特攻を防げずに大破。
 なんで防げなかったのかよく判りませんが、ここがチャンスと波動砲発射スタンバイ。
 新兵器の6連発波動砲を連射して敵要塞を撃破…………と思ったら、要塞内部から姿を現す超巨大潜宙艦。

 

 ちなみに、さっきから超巨大、超巨大言ってますが、要塞も潜宙艦も全長はたった3キロしかありません。
 ガトランティスの超巨大戦艦はもとより、大抵の勢力の宇宙要塞とは比べ物にならない小ささです。

 

 潜宙艦───と劇中では呼んでいるものの、やってる事はどう見ても次元潜行艇───の攻撃に翻弄されるヤマト。
 どうやらヤマトは、再建された時に亜空間ソナーや波動爆雷を降ろしてしまったようで、全く反撃出来ません。
 すると突然、別にガス生命体に追われている訳でもないのに「太陽を撃て」と言い出す古代くん。
 どうやら真田さんバリの直感で太陽が敵のエネルギー源だと見破ったようです。
 波動砲で吹き飛ばされる太陽。
 するとエネルギー源を失った潜宙艦は次元の狭間へと沈んでいきます。
 勝った!
 これで人類の移民を阻む連中も、国家連合諸国を強権的に支配する暴君もいなくなる!
 要塞は倒したかもしれないけど、SUSの母星がどっかにあるんじゃね?
 連合が壊滅した事で、銀河中心部はまた戦乱の時代に逆戻りするんじゃね?
 という疑問は古代君たちには無縁のようです。

 

 SUSを倒し、意気揚々と第4次移民船団護衛の為地球へ帰還したヤマト。
 最後の移民船団に乗り込もうとしたところを事故でたどりつけなかった美雪を一人救う為、この時代になっても使われているコスモゼロで発進する古代。
 なんだかんだで親子の溝は埋まるのですが、さりげに古代、自分の娘だけ助けてねーかこのシーン?
 そして、真田さんや佐渡先生のように、自らの意思で残ることを決めた僅かな人たちを残して地球を出発。
 取り残された動物たちが、迫るブラックホールを見上げるシーンは妙にジャングル大帝チック。
 ガミラスによって焦土にされてから20年。大気や放射能はともかく、動植物までコスモクリーナーが修復してくれるとは思えないので、これはやはり大規模なクローニングとか行ったんでしょうねぇ。
 そんな地球最期の瞬間をこの目に焼き付けようと見守る古代達の前に、倒した筈のSUSの指揮官が現れ
「実はあのブラックホールは、我々が作った次元転送装置で、地球ごと奪うのが目的だったのだ」とか言い出します。
 ディンギル帝国の時は、後の憂いを断つ為に地球人を絶滅させようと移民を妨害したのですが、どうやらSUSは人類ごと地球を手に入れたかったようです。
 しかし、敵のこの発言に「自然現象じゃ無いんなら、壊せるんじゃね?」と古代は気づきます。真田さんがいないので、この手のひらめきは全部古代君の仕事です。
 案の定、ブラックホールと思っていた次元断層の内側に次元転送装置を発見。
 しかし次元断層そのものが壁となって波動砲も届きません。
 このままでは地球はSUSに奪われてしまいます。
 しかし、地球のピンチにあの男が黙っている訳がありません。
「こんな事もあろうかと!!」
 実は真田さんがこっそりと、6連発波動砲のエネルギーを一気に発射する裏技をヤマトに仕込んでいたのです(爆
 さすがは真田さん、自分がヤマトに乗っていなくても抜かりはありません。
 6倍のエネルギーを持つ波動砲で吹き飛ばされるブラックホール
 こうして、今度もヤマトによって地球は救われたのでした。

 

 しかし、SUSはどこからかまだ地球を狙っている。
 そして、行方不明の森雪はどこへ?
 ヤマトの新たなる航海は、まだ始まったばかりなのだ。

 

 宇宙戦艦ヤマト 復活編 第1部 完



 基本的なプロットは完結編の時と全く一緒ですね。
 《自然災害による地球の危機 > そこに襲い掛かる謎の敵 > ヤマトが敵を撃破 > 実は自然災害も敵の仕業だった > ヤマトが身を挺して自然災害を阻止する》
 見事なくらい一緒です。
 違いは新キャラクター達ですが、主人公が基本的に古代の為、せっかくの新キャラクターが全く活かされていません。
 旧シリーズでいえば、古代の活躍を沖田艦長が奪ってしまう感じでしょうか。
 この辺りは、古代が艦長代理になった『さらば宇宙戦艦ヤマト』以降につきまとう問題で、主人公が艦長という『大人』になった結果、物語の躍動感が奪われ、古代達の時には若さに見えた物が、新キャラクター達の時には幼稚さに見えてしまうようになったのです。
 これを避ける為、以降のヤマトでは土方艦長や山波艦長、ゲームでは古代守、そして最後には沖田さんを復活させるなどして、古代を『大人』の地位に立たせないよういろいろと苦労するのですが、まあ、結果は御覧の通り。
 最近だと魔法少女リリカルなのはStrikerSが似たような失敗をしていますよね。
 若手が主人公なのか、ベテランが主人公なのかハッキリせず、群像劇としても中途半端でな作品になってしまっている。

 

 何かと批判を浴びるキャラクターとメカのデザインですが、オーディーンとヤマト2520を踏まえて見ればそんなにおかしな事はありません。
 逆に言えば、そういう部分をちゃんと踏まえていないと、かなり辛い物があるのは事実。
 とはいえ、それはシリーズ物の宿命でもありますから、その辺はちょっと判断が難しい。

 

 どういう事かというと
「ヤマトってのはこーいうものだ」
 と達観している人は是非見に行くべきですが
「ヤマトを見たこと無い」人や「明らかに思い出の中で美化している」自覚のある人にはお勧めしないという事です(苦笑
 とはいえ、収益が上がらないと第2部を作って貰えないヤマト2520の悲劇が待っているので、皆さん是非見に行って下さい。

 みどころは何もありませんが!

*1:正確にはスイングバイ。なぜか日本のアニメはこの二つを勘違いしている作品が多い